「Kingdom of Chaos」NL大陸住人真宵の日記です。
意味が解らない方は回れ右です。
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純白に染め上げられた大地に、束の間の色彩が芽吹く季節。
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「兄さん、いつまで“仕上げ”やってるんですかー!遅れますよー!」
「待てよ!あとはええと、黄色だけなんだから!」
「もう、あと5分だけですからね!」
少女は眉を寄せて階下へと戻る。
玄関にはすでに身支度を済ませ、待ちきれないといった面持ちの弟。
姉と母はとっくに広場に向かっている。
今日は待ちに待った「虹花祭」。
男性が想いを寄せる女性のために花冠を作り、贈る日。
虹、という名にちなんだものか、七色の花を使ったそれを贈ると想いが叶うという。
もっとも、少女はまだ一度ももらったことはないのだが。
「お待たせ」
「あれ、黄色はどうしたんですか?」
「それがさ、摘んでおいたキンポウゲがどこかにいっちゃって」
「ふうん…広場までの道に咲いてればいいですけど」
おにいちゃんおねえちゃんはやく!という弟の声に急かされ、三人は駆け出した。
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(え、ええと…)
ひょろりとした長身を丸めて落ち込んでいる彼に、どう言葉をかければいいのやら。
少女はとりあえず配られたキャンディーを手渡してぽんぽんと肩をたたいてみる。
「マリー…ぐすっ」
鼻水をすすりながらキャンディーの包み紙をむいているその姿は、わが兄ながら情けない。
お約束というか、何というか。
想いを告げようとした時にはすでにカップル成立済み、というケース。
兄の努力もむなしく、想い人の髪を彩るはずだった花冠は今少女の頭上にある。
「まさか兄さんからもらうことになるとは思いませんでした」
「よかったな、本の虫…ずびっ」
「む、虫っ…!?やつ当たりはやめてください!」
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「次の虹花祭では兄の想いがかないますように」という少女の願掛けはあっさり撤回される。
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「兄さん、いつまで“仕上げ”やってるんですかー!遅れますよー!」
「待てよ!あとはええと、黄色だけなんだから!」
「もう、あと5分だけですからね!」
少女は眉を寄せて階下へと戻る。
玄関にはすでに身支度を済ませ、待ちきれないといった面持ちの弟。
姉と母はとっくに広場に向かっている。
今日は待ちに待った「虹花祭」。
男性が想いを寄せる女性のために花冠を作り、贈る日。
虹、という名にちなんだものか、七色の花を使ったそれを贈ると想いが叶うという。
もっとも、少女はまだ一度ももらったことはないのだが。
「お待たせ」
「あれ、黄色はどうしたんですか?」
「それがさ、摘んでおいたキンポウゲがどこかにいっちゃって」
「ふうん…広場までの道に咲いてればいいですけど」
おにいちゃんおねえちゃんはやく!という弟の声に急かされ、三人は駆け出した。
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(え、ええと…)
ひょろりとした長身を丸めて落ち込んでいる彼に、どう言葉をかければいいのやら。
少女はとりあえず配られたキャンディーを手渡してぽんぽんと肩をたたいてみる。
「マリー…ぐすっ」
鼻水をすすりながらキャンディーの包み紙をむいているその姿は、わが兄ながら情けない。
お約束というか、何というか。
想いを告げようとした時にはすでにカップル成立済み、というケース。
兄の努力もむなしく、想い人の髪を彩るはずだった花冠は今少女の頭上にある。
「まさか兄さんからもらうことになるとは思いませんでした」
「よかったな、本の虫…ずびっ」
「む、虫っ…!?やつ当たりはやめてください!」
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「次の虹花祭では兄の想いがかないますように」という少女の願掛けはあっさり撤回される。
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